- いたずら
- I
いたずら【徒】※一※ (形動ナリ)(1)無益であるさま。 役に立たないさま。 無駄で価値のないさま。 現代では「いたずらに」の形で副詞的に用いる。
「~なる所は, 耳のはた鼻のみねなりけり/宇津保(俊蔭)」
(2)することもなく, 手もちぶさたなさま。 ひまなさま。「舟もいださで~なれば/土左」
(3)役に立っていないさま。「南の町には~なる対などもなし/源氏(玉鬘)」
→ いたずら(悪戯)※二※ (名)江戸時代後期, 女性が前髪を二つに分けて髻(モトドリ)の左右から背に垂らす髪形。 振り分け。~にな・す(1)役に立たないようにする。 むだにしてしまう。「この心を, ~・しつるは, 仏はあはれと思しなん/狭衣 3」
(2)死なせる。「夏虫の身を~・す事も/古今(恋一)」
~にな・る(1)期待したとおりにならずに終わる。 無駄になる。「思ひてし思ひは今は~・りぬべらなり/古今(雑下)」
(2)「死ぬ」の婉曲(エンキヨク)な言い方。II「空しく成りなば, 親も~・り給ひなん/宇津保(俊蔭)」
いたずら【悪戯】〔「いたずら(徒)」と同源〕(1)人の迷惑になるような遊び。 また, そうした遊びをするさま。 悪ふざけ。「~な子供」「単なる~にしては悪質だ」
(2)本来おもちゃでないもので遊ぶこと。「ライターを~してはいけない」
(3)自分の趣味などを謙遜していう語。 手なぐさみ。「ちょっとパソコンを~しています」
(4)品行のよくない・こと(さま)。「~娘」
(5)異性に対し, みだらな行為をはたらくこと。「教え子に~する」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.